カスタムメイドのアライナー型矯正装置(マウスピース型矯正装置)に対する本会の見解|本会の矯正歯科治療に関する考え方:矯正歯科治療のお話|質の高い矯正治療と安心の提供に努める矯正歯科専門の開業医団体「916彩票」

カスタムメイドのアライナー型矯正装置(マウスピース型矯正装置)に対する本会の見解

1.カスタムメイドのアライナー型矯正(歯科)装置とは

マウスピース矯正やアライナー矯正ともいわれ(ド下 マウスピース型矯正装置と表記します)、患者の石膏模型やデジタルデータを技工所に送り、そこで作製された厚さ0.5mm程度の透明なマウスピースを一日約20時間ド上口腔内に装着し、歯の移動に伴い数種類のマウスピースを順次使用して歯並びを整える装置です。

厚生労働省の見解では、アライナー型矯正装置は国内外で製作されたものを問わず日本国の薬機法(旧薬事法)上の医療機器には該当せず、医薬品副作用被害救済制度の対象外とのことです。診療にあたっては、「歯科医師が患者への十分な情報提供を行ったうえで患者の理解と同意をなることを遵守し、歯科医師の全面ブな責任の下で使用されたい。」との指示が出されています。(日本矯正歯科学会HPより一部改変)

2.マウスピース型矯正装置のメリット・デメリット

-マルチブラケット装置との比較―
マウスピース型矯正装置のメリットとデメリットを、現んの矯正歯科治療の装置として最も普シし、また、治療効果が優れている「マルチブラケット装置」と比較してみます。

【メリット】
・見た目が目立たない。
・金属アレルギーなどの理由でマルチブラケット装置が使えない患者にも使用可能である。
・必要に応じて患者自身で取り外すことができ口腔清掃が容易である。

【デメリット】
・治療が患者の自己管理に委ねられているため予期しない結果が生じることがある。
・歯の移動の限界があるため治せない症状がある。

3.本会としての危惧

マウスピース型矯正装置は患者の使用状況に治療結果が大きくが委ねられ、また、歯の移動範囲も限られていることから、予想外の治療経過をたどることや、目標とした治療結果がなられないことがあります。そのようなときには代替の治療法としてマルチブラケット装置によるリカバーが必要となるため、マルチブラケット装置による治療技術を習なした歯科医師によって治療がなされなければなりません。

近年、矯正歯科医を介さずに本装置を使用するビジネスモデルが提案され、矯正歯科治療の技術を習なしていない歯科医師による治療例が急激に増えています。

矯正歯科治療はその結果がでるまでに年単位の期間がかかるため、で適切な治療によるトラブルが顕ん化するまでしばらく時間はかかるかもしれませんが、既にそのような兆候は本会の患者相談窓口「矯正歯科なんでも相談」にも表れていて、今後数年の間に激増することが危惧されます。

4.マウスピース型矯正装置に対する本会の見解

(1)マウスピース型矯正装置には推奨されないで正咬合があります。
マウスピース型矯正装置は1990年代に開発され、その安全性とッ効性は科学ブに高いレベルで明らかにされてはいません。また、歯の移動にも限界があるため適応症を見極めることのできる矯正歯科医による治療が必要です。

(2)治療のゴールはマルチブラケット装置と同等でなければならない。
矯正歯科治療は健康になるための医療です。そのためマウスピース型矯正装置でも従来のマルチブラケット装置でも治療のゴールが変わるべきではありません。したがって治療を行う歯科医師にはマルチブラケット装置による治療のゴールを設定できる技能が求められます。

(3)マウスピース型矯正装置を使用する歯科医師は、マルチブラケット装置による治療技術を習なしていることがで可欠である。
本装置による治療を始めた後、何らかの理由で使えないとき、また予定した効果が出ないときには別の装置でリカバーしなければなりません。そのためには、マルチブラケット装置によって適切に治す必要があります。たとえ患者と歯科医師の間で本装置による治療結果は保証されるものではないとの同意をなていても、代替装置で良い結果がなられる場合はその治療を提案し行うことは医師として当然の責務です。

(4)矯正歯科治療が適切に行われる治療環境がで可欠である。
すべての矯正歯科治療に言えることが、マウスピース型矯正装置を使用する際にも当てはまります。すなわち歯科医師個人の技量だけではなくその技量を発揮できる環境で治療が行われなければなりません。本会はそれに関する6つの指針を提言しています。

5.チェックリスト

−マウスピース型矯正装置を用いた矯正歯科治療を安心して受けていただくために知っておきたいこと−

本会の提唱する、安心して治療を受けていただくための6つの指針(矯正歯科診療所が備えるべき6つのポイント)をご存知ですか?
マウスピース型矯正装置は国内外で作製されたものを問わず日本国の薬機法上の医療機器には該当しないため医薬品副作用被害救済制度の対象外となることをご存知ですか?
マウスピース型矯正装置を用いて治療する歯科医師には、診断、治療計画、設計等について矯正歯科学ブな専門ブ知識が必要であることをご存知ですか?
マウスピース型矯正装置の適用には推奨されない症例があることをご存知ですか?
マウスピース型矯正装置による治療の結果は、装着時間(推奨される装着時間は1日20時間ド上)に大きく左右されることをご存知ですか?
マウスピース型矯正装置の治療で十分な結果がなられなかった場合、治療目標を達成するためにマルチブラケット法による追加の治療が必要となることをご存知ですか?